盗撮とはどこから犯罪?顔だけ・後ろ姿撮影は?定義や基準を解説 |千葉船橋で刑事事件を弁護士に相談

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盗撮とはどこから犯罪?顔だけ・後ろ姿撮影は?定義や基準を解説

盗撮とはどこから犯罪?顔だけ・後ろ姿撮影は?定義や基準を解説

盗撮事件の報道が毎日のように流れています。

スマホの普及により、誰でも撮影の道具を持ち歩き、簡単に撮影できる時代となったため、つい出来心でカメラを向けてしまうケースもあるでしょう。 

しかし、盗撮は犯罪行為であり、発覚すれば逮捕され、刑事裁判で有罪判決を受ける危険性があります。 
拘禁刑を受けて、刑務所に服役しなくてはならない可能性もあります。 

このコラムでは、どのような盗撮行為が犯罪となるのかについて、基本的な知識を解説します。 

盗撮は何罪になる? 

「盗撮」の本来の意味は、「盗み撮る行為」、すなわち「被写体となる相手の承諾を得ず、撮影することも知らせずに撮影する行為」を指します。 

ただ、このような盗撮行為のすべてが犯罪となるわけではありません。

盗撮行為が犯罪として罪に問われるのは、主に「①性的姿態撮影等処罰法違反(性的姿態等撮影罪)」「②各自治体の迷惑防止条例違反」の場合です。 

なお、これら以外にも、次の各犯罪に問われる場合があります。 

その他の犯罪例

  • ・軽犯罪法違反の「窃視の罪」…盗撮のために人の住居・浴室・更衣室などを密かに、のぞき見た場合。法定刑は、拘留または科料。 
  • ・刑法の住居侵入罪…盗撮のために、人の住居などに侵入した場合。法定刑は、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑。 
  • ・児童ポルノ禁止法違反…18歳未満の児童の性的な部位を盗撮して児童ポルノを製造した場合。法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑。 

盗撮はどこからが犯罪なのか 

盗撮行為は、すべてが犯罪となるわけではなく、各法律が罰則をもって禁止する行為に該当する場合に処罰されます。 

盗撮が「性的姿態撮影等処罰法違反」で犯罪となる基準 

性的姿態撮影等処罰法の正式名称は、

「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」

といいます。 

この法律では、盗撮行為が次の要件に該当すると、「性的姿態等撮影罪」として、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑となります。 

性的姿態等撮影罪の要件

・人の「性的な部位(性器、肛門、これらの周辺部、臀部、胸部)」の撮影 

・人が身に着けている「下着」のうち、現に「性的な部位」を直接・間接に覆っている部分の撮影 

・正当な理由なく、1または2を、ひそかに撮影する行為であること 

ここに言う「下着」は、通常衣服で覆われ、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限定されます。

また、人が通常衣服を着けている場所において、不特定または多数の者の目に触れることを認識しながら、自ら露出している場合は除きます。 

したがって、ファッションとして敢えて露出している、いわゆる「ファッションインナー」や「アウターライクインナー」は、ここに言う「下着」には含まれません。 

盗撮が「迷惑禁止条例違反」で犯罪となる基準 

都道府県など各地方自治体は、「迷惑防止条例」によって、一定の盗撮行為を禁止しています。

例えば、東京都は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」を定め、次の要件に該当する撮影行為を「粗暴行為」として禁止しています。 

①人の通常衣服で隠されている下着または身体を撮影すること 

②次の場所または乗り物での撮影であること。 

(1)住居・便所・浴場・更衣室・その他、人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所 

(2)公共の場所・公共の乗物・学校・事務所・タクシー・その他不特定または多数の者が利用し、または出入りする場所または乗物 

③正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であること 

これに違反して実際に撮影したときは、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金刑となります。

常習の場合は、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金刑です。 

顔だけを撮影する場合 

赤井耕多
弁護士

顔だけを撮影するなら、性的部位や下着の撮影ではありませんから、性的姿態等撮影罪にはなりません。

 

また、顔は通常衣服で隠されている身体ではありませんから、東京都の迷惑防止条例違反にもなりません。 

後ろ姿の撮影の場合 

たんに後ろ姿を撮影するだけなら、性的姿態等撮影罪や、東京都の迷惑防止条例違反にもなりません。 

ただし、たとえばズボンを履いた女性の臀部を撮影するために執拗に追尾したような場合は、東京都の迷惑防止条例で禁止されている「卑わいな言動」に該当するものとして、条例違反で処罰される可能性があります。 

法定刑は、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑です。 

判例

最高裁平成20年11月10日決定 

ショッピングセンターで、ズボンを着用した女性を執拗に付け狙い、その臀部を、近い距離から携帯電話で多数回撮影した被告人の行為を、北海道迷惑防止条例が禁止する「卑わいな言動」に該当するとしました。

カメラ・スマホを設置した場合 

盗撮のためにカメラやスマホを設置しただけで、実際には撮影に至っていない場合も犯罪行為です。 

まず、性的姿態等撮影罪は、その未遂犯も処罰対象です。

そのため、撮影していなくとも、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑となります(性的姿態撮影等処罰法2条2項)。 

次に、東京都の迷惑防止条例では、撮影する目的で撮影機器を差し向けたり、設置したりすることも禁止されています。(同条例5条1項2号ロ)

そのため、まだ撮影していなくとも、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑となります。 

盗撮で逮捕されたらどうなるのか 

逮捕・勾留で約23日間の身体拘束 

盗撮で逮捕された場合、警察の留置場に拘束され、48時間以内に身柄を検察庁に送られます。 

検察官は、「釈放をすると逃亡や証拠隠滅に恐れがある」と考えられるケース等では、身柄を受け取ってから24時間以内(かつ逮捕から72時間以内)に、裁判官に、さらに長期の身体拘束となる「勾留」を認めるよう請求します。

被疑者は、裁判官による勾留質問を受けます。 

裁判官が勾留を認めると、検察官の請求から10日間(勾留延長が認められるとさらに10日間プラスされ、最大20日間)、身体を拘束され、取り調べを受け続けます。 

この身体拘束から最大約23日間の間に、検察官は、被疑者を起訴して刑事裁判にかけるか、不起訴とするかを決定します。 
起訴された後は、裁判所が保釈を認めない限りは身体拘束が続きます。 

弁護士を刑事弁護人とした示談交渉が重要 

盗撮行為が事実である場合、勾留による身体拘束の長期化を防ぎ、検察官に不起訴処分としてもらうには、被害者との示談を成立させることが重要です。 

被害者に謝罪し、真摯な反省の気持ちを伝えて示談金を支払い、宥恕(許してもらうこと)を得ます。

その証拠となる示談書の作成に応じてもらい、これを検察官や裁判所に提出するのです。 

赤井耕多
弁護士

被害者との示談交渉、書類作成などは、刑事弁護の専門家である弁護士に依頼し、速やかに進めることが肝要です。 

盗撮トラブルでお悩みなら、すぐに弁護士へ 

「顔だけ」「後ろ姿だけ」の撮影であっても、状況によっては法律や条例に抵触し、逮捕や処罰を受けるリスクがあります。

「これくらいなら大丈夫」という自己判断は極めて危険です。 

万が一、盗撮の容疑をかけられたり警察から連絡が来たりした場合は、一刻も早い弁護士への相談が不可欠です。

弁護士なら、その行為が犯罪に該当するかを正確に見極め、被害者との示談交渉や処分の軽減(不起訴・前科の回避)に向けて迅速に対応できます。 

拘禁刑などの事態を避け、これからの生活を守るためにも、まずは刑事事件に強い弁護士へお早めにご相談ください。 

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