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盗撮(撮影罪)で初犯のケース|罰金相場は?余罪ありなら実刑?不起訴はない?

盗撮(撮影罪)で初犯のケース|罰金相場は?余罪ありなら実刑?不起訴はない?

人の性的な部位(尻・胸・性器・肛門・その周辺部)や下着を盗撮する行為は、性的姿態撮影等処罰法の定める「性的姿態等撮影罪(撮影罪)」に該当します

「性的姿態等撮影罪(撮影罪)」で有罪となった場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑となります。 

また、このような行為は、都道府県など各自治体の定める迷惑防止条例に違反する場合もあります。 
例えば、東京都の条例(東京都「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)に違反して、公共の場所などで人の下着や身体を盗撮した場合は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金刑が定められています。 

もっとも、このような犯罪を行っても、「初犯」のケースであれば、「起訴されない」「罰金で済む」と言われることがよくあります。 

しかし、このように、盗撮を軽い犯罪と考えることは大きな間違いです。 


本コラムで詳しく解説します。 

盗撮の初犯ではどのような処分をされるのか 

盗撮(性的姿態等撮影罪)の処理状況 

実際に、盗撮行為で、性的姿態撮影等処罰法違反(性的姿態等撮影罪)の刑事事件として立件された事案の処理状況を見てみましょう。 

2024年を調査対象とする統計では、次のとおりとなっています。 

1 起訴された人数 2955人(約67%) 
①起訴のうち、公判請求された人数 964人(約22%) 
②起訴のうち、略式請求された人数 1991人(約45%) 
2 不起訴となった人数 1439人(約32%) 
①不起訴のうち、起訴猶予を理由とする人数 1325人(約30%) 
②不起訴のうち、嫌疑不十分・嫌疑なしを理由とする人数 97人(約2%) 

(各%は、既済総数7058人から、他の検察庁への送致2086人、家裁送致576人の合計2662人を差し引いた4396人を母数とする割合) 

※2024年検察統計:表番号24−00−08「罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員」(2025年8月29日公開更新) 

盗撮の7割は起訴されている 

この統計数値からは、2024年中に性的姿態等撮影罪で検察庁が処理した者のうち、起訴を免れた者は約32%しかいません。 
約67%が起訴され、約22%は公判請求され、公開の法廷での裁判を受けています。 

また、約45%は略式請求を受け、罰金刑を請求されています。略式手続といえども、有罪判決であることには変わりはなく「前科」となります。 

この統計数値には、盗撮の初犯も含まれており、その人数は不明であるものの、盗撮は起訴される確率が7割近い犯罪であることだけは確かです。 

公判請求された者の97%が懲役刑(拘禁刑) 

また、性的姿態撮影等処罰法違反で公判請求され、2024年に地方裁判所で有罪判決を受けた442人のうち、有期懲役刑が427人(約97%)、罰金刑が15人(約3%)となっています(※)。 

この数字は、性的姿態等撮影罪だけを対象としたものではありませんが、性的姿態撮影等処罰法違反に対する検察・裁判所の姿勢が非常に厳しいことを物語っています。 

※最高裁判所事務総局「令和6年司法統計年報・2:刑事編」「第33表:通常第一審事件の終局総人員(罪名別終局区分別)全地方裁判所」 

懲役刑を受けた者の31%以上が実刑判決 

さらに、有期懲役刑を受けた者の量刑は、次のとおりです。 

刑期 実刑判決 執行猶予判決 
6月未満 1人  
6月以上1年未満 44人 87人 
1年以上2年未満 72人 166人 
2年以上3年未満 15人 38人 
3年 3人  

実に、135人(31.6%)が実刑判決を受けているのです。 

※前出「令和6年司法統計年報・2:刑事編」「第34表:通常第一審事件の有罪(懲役・禁錮)人員(罪名別刑期区分別)全地方裁判所」 

罰金刑の相場は30万円〜100万円 

性的姿態撮影等処罰法違反で起訴され、2024年に、罰金刑を受けた者の人数は次のとおりです(※)。 

罰金額 地方裁判所 簡易裁判所 
50万円以上100万円未満 13人 2人 
30万円以上50万円未満 2人 1人 

※前出の司法統計「第35表:通常第一審事件の有罪(罰金)人員(罪名別罰金額区分別)全地方裁判所」および同「第37表:通常第一審事件の有罪(罰金)人員(罪名別罰金額区分別)全簡易裁判所」 

盗撮犯罪を軽くみてはいけない 

性的姿態撮影等処罰法は、2023年7月に施行された新しい法律ですが、翌年の2024年だけでこれだけの人数が処罰されています。

また、この中には、各自治体の迷惑防止条例違反など、別の法律違反で処罰された盗撮犯は含まれていないことに注意してください。 

赤井耕多
弁護士

このように、盗撮犯罪の処分は、決して軽いものではありません。

起訴される確率も高く、懲役刑(現在は拘禁刑)の実刑判決を受けて、刑務所に服役しなくてはならないケースもあるのです。 

盗撮犯が重く処罰されるケース 

盗撮犯が公判請求され重い刑を受ける一般的なケースとしては、例えば、次の場合が挙げられます。 

盗撮で重い刑を受けやすいケース

・盗撮行為を繰り返しており、盗撮の余罪があるケース 

・盗撮した画像を、ネットで公開したり、販売したりしたケース

・学校の教師や塾の講師が、生徒に盗撮行為を行ったケース

盗撮行為を繰り返しており、盗撮の余罪があるケース 

これには、同一被害者に対する複数回の盗撮行為がある場合と、多数の被害者に対する盗撮行為がある場合が考えられます。 

盗撮した画像を、ネットで公開したり、販売したりしたケース 

このような行為は、「性的姿態等影像送信罪」として、法定刑が、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金刑となり、両方の刑を科される場合もあります(同法5条1項1号)。 

学校の教師や塾の講師が、生徒に盗撮行為を行ったケース 

いずれも、被害状況が広汎・深刻で、禁圧の必要性が高く、被害者の処罰感情も大きいものです。

たとえ、立件されたのが初めてという「初犯」であっても、不起訴となる保障はありません。 

不起訴を目指すための示談交渉について 

盗撮犯罪で検察官による起訴を免れ、不起訴処分を得るためには、被害者との「示談」を成立させることが重要です。 

23日間のうちに示談を成立させる

身体拘束をされる身柄事件の場合、検察官は、逮捕から最大約23日の間に、盗撮犯を起訴するか・不起訴とするか、それとも釈放するかを決定しなくてはなりません。 

この期間内に、被害者と示談交渉を行い、示談金を支払って、宥恕を得る(寛大な心で、許してもらう)ことができれば、検察官に有利な事情として考慮してもらえるので、不起訴処分を得られる可能性が高くなります。 
不起訴処分となれば、前科もつきません。 

実際上、弁護士でないと示談交渉は難しい 

ただし、性犯罪の被害者は、恐怖心などから、加害者側の関係者との直接交渉を望まないことが通常です。

赤井耕多
弁護士

このため、弁護士が交渉役を担当しないと、交渉に応じてくれず、そもそも捜査機関を通じて連絡先を明かしてもらうことさえできません。 

また、複数の被害者がいる場合、可能な限り、そのすべての被害者との示談を成立させることが望ましいことは言うまでもありません。 

弁護士であれば、複数の被害者と交渉できるよう捜査機関に申し入れ、被害者らの同意を得た上で、全員との示談交渉に進める可能性が高いと言えます。 

盗撮の弁護・示談交渉は弁護士へ 

「盗撮で捕まったが、初犯だから大丈夫」と楽観視するのは危険です。

適切な対応を怠れば、初犯であっても罰金刑で前科がついたり、裁判に発展したりするリスクがあります。 

前科を防ぎ不起訴処分を目指すには「被害者との示談」が最優先ですが、加害者側が直接連絡を取ることは極めて困難です。

そのため、弁護士による迅速な交渉が不可欠となります。 

弁護士なら、示談交渉をはじめ、刑事事件手続きへの適切な対応を通じて、被疑者の方の権利と未来を守るための最善の弁護活動が可能です。 


赤井耕多
弁護士

盗撮事件の解決はスピードが命ですので、一刻も早く当事務所の弁護士へご相談ください。 

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