【刑事:よくあるご質問】夫が逮捕され警察署に留置されているのですが、夫には何を渡せるのですか?

逮捕された被疑者の方は、裁判所による勾留決定が出れば、その日から10日間は逮捕された警察署や拘置所に留置(身体拘束)されることとなります。

ところが、逮捕は警察が早朝に突然自宅に押し掛けて遂行されることが多く、被疑者の方は、身一つで警察署まで行き、そのまま身体拘束されることが多いです。

そのため、被疑者の身内の方は、被疑者の方を非常に心配し、被疑者に対し、急いで日常生活品を渡したいという気持ちになります。

もっとも、多くの方は、身内が逮捕されるといった経験がほとんどありませんので、留置場では被疑者に何を渡すことができるのかなど全くわかりません。

このような場合には、被疑者が留置されている警察署の留置担当の方に問い合わせると教えて頂けます。千葉県ですと、警察署に代表番号に電話し、留置管理課に繋いで頂くことで留置担当の方と話すことができます。

外部から留置されている被疑者の方に物品などを渡すことを差し入れといいますが、留置担当の方は、差入れ可能な物を丁寧に教えてくれます。

具体的に、差入れ可能な物としては、衣類、メガネ、歯ブラシ、雑誌や本、便箋、手紙、ノート、写真、現金などがあります。

雑誌や本については書き込みがあると差入れできませんので、書き込みのない物を差し入れる必要があります。

逆に差し入れができない物としましては、飲食物、シャンプー、たばこ、娯楽用品(トランプなど)となります。

差入れ可能な時間は平日のみとなり、時間帯は平日午前が2時間程度、午後が3~4時間程度です。

土日祝日は差入れできません。

弁護士の場合は、差し入れの曜日や時間帯に制限がありませんので、急ぎの場合は弁護士にお願いするのが良いかと思います。

差入れとして最も多いのが衣類となります。

一応留置場には衣類が用意されておりますが、これらは別の方も使っている物ですし、ご自身の物があると気持ち的に良いですよね。

下着やスウェット、Tシャツ等が多い印象を受けます。差入れ可能な物は1日のうちに差入れ可能な数に制限がありますので、留置管理課に確認するとよいかと思います。

また、紐がついている衣類は差入れすることができないため、紐を取って紐の通っていた穴を縫ってふさがないと差入れできません。

警察署によっては留置担当の方がその場で紐を取って穴を縫った上で差し入れの許可を出してくれることもありますが、基本的には差入れする側で紐を取って縫わないと差し入れを許可してくれません。

なお、フードつきの衣類は、紐を取って穴を縫ってふさいでも差し入れることができません。

また、飲食物は差入れすることができませんが、留置施設内で購入することが可能です。

そして、現金を差し入れすることは可能ですので、お菓子などが好きな方には現金を差し入れして、留置施設内でお菓子類を購入してもらということも多いです。

さらに、被疑者の方は、留置施設内に居ますと、外部との連絡がなかなかできませんので、便箋を欲しいと言ってくる方も多いので、便箋を差し入れることも多々あります。

便箋は、被害者の方がいる事件ですと、被害者の方への謝罪文を作成するのに使うこともできますので、私は割と早い段階で自発的に便箋を差し入れすることが多いです。

加えて、留置施設内では、取調べなどがないと基本的にやることがありませんので(特に独居房に入ると一日部屋に一人でいるため一日誰とも会話をしない日々が続くようです)、本の差し入れも多いです。

本に関しては、漫画や小説、資格試験に関する参考書や問題集まで幅広く需要があります。漫画は、その時々で流行っている漫画や少年誌・青年誌の雑誌が多いです。

小説は東野圭吾等の小説が人気です。資格試験に関する参考書などは、過去に覚えている者ですと、簿記、電気工事士、英語、行政書士試験、司法書士試験等に関する本の差し入れをしたことがあります。

本の差し入れも一日に差入れ可能な数に限りがありますので(おそらくどこも一日3冊まで)、注意が必要です。

あとは、小さいお子様や新婚の方は、奥さんや子どもの写真の差し入れを希望したりします。

子の写真の差し入れは、被疑者の方にとって大きな心の支えになっているように思えます。

接見禁止がついていますと、手紙や写真などの差し入れができなくなりますが、弁護士が弁護活動の一環としてであれば差入れすることが可能となります。

弁護士に写真や手紙に関して接見禁止の一部解除という手続きをとってもらえれば、接見禁止がついていても、手紙や写真でも差入れすることが可能となります。

以上のように、警察署の留置施設に差入れ可能な物や数は様々な理由から限定されています。

もし、被疑者の方に何か差し入れを考えている場合は、警察署の留置担当に電話で確認し、弁護士に依頼をする場合には、弁護士に確認するのが良いかと思います。