
平成17年3月 東京都立上野高等学校卒業
平成23年3月 日本大学法学部法律学科卒業
平成26年3月 学習院大学法科大学院修了
令和5年1月 西船橋ゴール法律事務所開業
夫婦関係に悩み「一度距離を置きたい」「同居生活がつらい」と感じたとき、別居を考える女性は少なくありません。
しかし、別居を始めるにあたり、多くの方が心配するのが「生活費」です。
「別居中の生活費はもらえるの?」
「子どもがいる場合は養育費はどうなるの?」
「婚姻費用って何?」
と不安を抱える方は多くいるでしょう。
実は、法律上は離婚していない夫婦であっても、収入の多い側の配偶者が生活費を分担する義務があります。

弁護士
これが「婚姻費用」です。
そして、婚姻費用の目安を示すのが「婚姻費用算定表」です。
家庭裁判所が公表している算定表を使えば、誰でも自分が受け取れる生活費の目安を知ることができます。
この記事では、
✅ 別居中でも生活費をもらえる理由
✅ 算定表を使った具体的な計算方法と相場
✅ 婚姻費用の内訳や教育費の扱い
✅ 婚姻費用がいつからいつまで支払われるのか
✅ 請求方法や家庭裁判所での手続き
✅ 支払いを拒否された場合の対処法
✅ 請求できないケースとその対処法
✅ 共働き・専業主婦別の計算ポイント
など、弁護士の視点を交えながら、夫婦関係にお悩みの方が安心して別居に踏み切れるよう詳しく解説します。
目次
別居しても生活費はもらえる!
婚姻費用について
夫婦は、結婚生活を維持するために互いに生活費を分担する義務があります(民法760条)。
これは「婚姻費用の分担義務」と呼ばれ、離婚前であっても収入の多い側は生活費を負担することが求められます。
婚姻費用に含まれるのは、主に次の費用です。
婚姻費用に含まれるもの
・配偶者自身の生活費(食費・衣服・日用品など)
・子どもの養育費(教育費・医療費・学費)
・住居費(家賃や住宅ローンの分担)
共働き夫婦の婚姻費用の考え方
共働きの場合でも、夫婦の収入差があれば収入の多い側から生活費を請求することが可能です。
夫婦双方に収入がある場合は、算定表を用いて双方の収入をもとに生活費の分担額を算出します。
例
夫600万円・妻200万円で子ども1人の場合
算定表に基づく婚姻費用は月額5〜7万円程度が目安です。
共働きでも「収入が多い側が生活費の一部を負担する」という原則は変わりません。
算定表を使うことで、「専業主婦でなくても、夫婦間の公平な分担額がどのくらいになるか」をわかりやすく把握できます。
これにより、別居中の生活費の不安を具体的な金額で確認でき、話し合いや調停でも有利に進めやすくなります。
別居中の生活費の計算方法や相場は?
婚姻費用算定表について
婚姻費用の金額は、家庭裁判所が作成した「婚姻費用算定表」をもとに計算されます。
算定表は夫婦双方の年収や子どもの人数・年齢を基に、生活費の目安を示しています。
具体例
具体例1
専業主婦+夫の年収500万円、子ども1人(5歳)
→ 算定表によると月額約8万円が目安
具体例2
共働き、夫600万円・妻200万円、子ども2人(10歳・7歳)
→ 月額約10〜12万円が目安
◎ 夫婦間の収入差を考慮して、算定表に沿った分担額が決まります
婚姻費用算定表の見方
算定表の使い方は以下の通りです。
1. 夫・妻の年収を確認(給与明細・源泉徴収票・確定申告書)
2.算定表で収入の軸を探す
3.子どもの人数・年齢を当てはめる
4.表に記載された金額を生活費の目安として確認
婚姻費用の内訳は?
子どもの教育費はもらえる?
婚姻費用には、子どもの教育費も含まれます。
具体的には次の項目が婚姻費用の算定において考慮されます。
✅ 学費(公立・私立学校の授業料や入学金、教材費)
✅ 通学費・交通費
✅ 医療費(通院・定期健診・治療費)
✅ 習い事や塾費用(必要性が認められる場合)
注意!
ただし、私立の学費や高額な進学塾など「一般的水準を超える費用」は、必ずしも全額認められるとは限りません。
家庭裁判所は、夫婦双方の収入・生活状況を総合的に判断します。
また、住宅ローンが夫名義で支払っている場合や、車のローンの扱いも考慮されるケースがあります。

弁護士
算定表は目安であり、個別事情を加味して調整されることが多いです。
婚姻費用はいつからいつまでもらえる?
婚姻費用は、原則として「請求した時点」から発生します。
別居開始前の分は原則さかのぼって請求できませんが、例外的に家庭裁判所が認める場合もあります。
支払い期間は以下の通りです。
1.~離婚が成立するまで
2.~夫婦が再び同居するまで
離婚が長期化すると、数年間にわたり支払われることもあります。
支払いの開始や終了時期は、調停や審判で明確に決定されます。
婚姻費用の請求方法は?
婚姻費用を請求する方法は大きく分けて 3つ あります。
夫婦間で話し合い、合意して支払ってもらう
まずは、夫婦間で話し合い、金額や支払い方法を合意する方法です。
口頭での取り決めも可能ですが、後々トラブルにならないように合意書を作成することをおすすめします。
合意書に書く内容
・月額金額
・支払い方法
・支払い開始日
・子どもの教育費の扱いなど
✅ 共働き夫婦の場合、夫婦それぞれの収入差を算定表で確認し、月額5万円を夫が妻に振り込むと合意した場合、書面に記録しておくと安心です。
話し合いだけで終わらせる場合、相手が後で支払いを拒否する可能性もあるため、合意書作成や銀行振込など証拠を残すことが重要です。
家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てる
話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てます。
調停の流れ
- 申立書の提出
必要書類
・調停申立書
戸籍謄本
2.第1回期日で双方の主張を確認
調停委員が双方の事情を聞き、生活状況などを整理します。
3.算定表を基に家庭裁判所が金額を調整
算定表の金額はあくまで目安です。住宅ローン、特別な医療費、習い事費など、個別事情を加味して調整されます。
■調停が成立した場合 → 合意書を作成する
調停で合意が成立すると、合意書が作成されます。
この合意書は、支払いの義務を証明する強力な書面になります。
■調停不成立の場合 → 審判で裁判所が決定
調停で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所が審判で金額や支払い方法を決定することになります。
調停は話し合い形式ですが、弁護士をつけることで、算定表の読み方や収入調整の交渉がスムーズになり、自分だけでは気づきにくい細かい事情も反映できます。
4.合意や調停でもまとまらない場合は審判で裁判所が決定する
調停で合意できない場合、家庭裁判所が審判を下します。
審判は強制力を持ち、相手が支払いを拒否しても給与差押えなどの強制執行が可能です。
審判は調停と同じく、算定表を基に金額を決めますが、調停よりも正式な裁判の色合いが強くなります。
審判では、特別な事情がある場合(高額な医療費や住宅ローン、子どもの習い事など)も考慮されます。
弁護士に依頼するメリット
✅ 算定表の読み方や収入計算を正確に行える
調停や審判の際に、生活費の増額や分担割合を交渉できます。
✅ 書類作成・提出を代行してもらえる
精神的な負担を軽減でき、安心して別居生活を始められます。
別居中の生活費を支払わないと言われた時の対処法
支払いを拒否されることは珍しくありません。
対応策としては以下があります。
✅ 弁護士を通じ内容証明郵便で請求
✅ 家庭裁判所で婚姻費用分担調停を申し立て
✅ 調停で決まっても支払われない場合は、給与差押えなど強制執行
法律上、婚姻費用を分担する義務があるため、泣き寝入りせず確実に手続きを進めることが大切です。
別居中の生活費を請求する際の注意点

別居中に生活費(婚姻費用)を請求する際は、ただ請求するだけでなく、手順やタイミング、算定表の使い方、証拠の残し方などに注意する必要があります。
ここでは、特に重要なポイントを詳しく解説します。
請求は早めに行う
婚姻費用は、請求した月から発生します。
別居を始めたら、生活費が足りなくなる前に、できるだけ早く請求することが重要です。
過去に遡って請求できる場合もありますが、家庭裁判所は「合理的な理由がある場合のみ」と判断するため、早めの対応が安心です。
年収・収入状況を正確に把握する
算定表を使うには、夫婦双方の年収が必要です。
収入には給与所得だけでなく、ボーナス・副業収入・投資収入なども含まれます。
共働きの場合は、収入差が婚姻費用に大きく影響するため、正確な数字を把握することが重要です。
証明書類の例
・源泉徴収票
・給与明細
・確定申告書
・事業収支報告(自営業の場合)
過大請求は避ける
算定表の金額はあくまで目安です。
「生活費をできるだけ多くもらいたい」と思っても、算定表を大きく超える請求は認められないケースが多いです。
無理な請求は調停や審判での信頼を損ない、増額の交渉が難しくなる可能性があります。
目安の使い方のコツ
✅ 算定表で基準額を確認
✅ 医療費や学費、住宅費など特別事情を加算する場合は証拠を揃える
✅ 明確な根拠がある金額だけを請求する

不安がある際は、弁護士に気軽にご相談ください!
調停・弁護士の利用も検討する
調停での話し合いは、双方の収入や生活状況を確認しながら金額を決める場です。
弁護士をつけることで、
✅ 算定表の読み方や収入差計算
✅ 医療費・学費・住宅費など特別事情の主張
✅ 調停での合意書作成や強制執行の準備
などをスムーズに進めることができます。
特に共働きで収入が複雑な場合、自分だけで計算すると見落としが出る可能性があります。
算定表はあくまで目安にする
算定表は「一般的な家庭の生活費の目安」です。
実際の婚姻費用では、家庭ごとの事情を考慮して増減されます。
具体例:
高額な習い事や学費がある場合 → 増額される可能性もある
住宅ローンや家賃が高額の場合 → 分担割合が調整される場合がある
夫の収入が不安定(自営業など) → 安定収入に換算して調整される
証拠や記録を残す
生活費請求の際は、請求書や振込記録、メール・LINEでのやり取りを残すと安心です。
調停や審判で証拠として提出でき、後々トラブルになった場合にも強力な裏付けになります。
【その他の注意点】
・請求を先延ばしにすると、生活費不足で精神的・生活的な負担が増えるので、早めに行動すると良いでしょう。
・無理に自分だけで増額を主張せず、算定表+個別事情の根拠を整えて請求することが成功のポイントになります。
婚姻費用を請求できないケースと対処法
婚姻費用は原則請求できますが、次のケースでは制限されることがあります。
✅ 別居の原因が自分にある場合(不倫や暴力など)
✅ 夫の収入が極めて少なく、生活費が困難な場合
✅ 婚姻関係が完全に破綻していると認定された場合

ただし、いずれも例外であり、個別事情で判断されます。
こういった場合も、弁護士に相談して方針を立てることが大切です。
よくある質問
共働きでも生活費はもらえる?
はい、共働きでも収入差があれば生活費を請求できます。
算定表で双方の収入を考慮し、分担額を決めます。
夫が自営業で収入が不安定な場合は?
確定申告書や事業収支報告を基に算定表を使って算出することになります。
安定収入より調整される場合があります。
専業主婦から働き出した場合は?
収入が増えれば算定表上の生活費は減額される可能性があります。
住宅ローンを夫が払っている場合も請求できる?
住宅ローンを夫が支払っている場合も、妻は生活費を請求できます。
ただし負担割合の調整が必要です。
別居中の生活費について弁護士に相談するメリット

別居中の生活費を請求する際、弁護士や法律事務所に相談することには大きなメリットがあります。
金額面で有利になることがある
弁護士に依頼すれば、算定表の読み方や収入計算を正確に行ってもらえます。
共働きや副収入がある場合、どの収入をどのように計算するかで婚姻費用の金額は大きく変わります。
また、特別事情(住宅ローン・学費・医療費など)の加算や調整を、家庭裁判所で説得力のある形で主張できます。
過少請求を防ぎ、生活に必要な金額を確実に請求できるのも大きなメリットです。
弁護士は増額交渉の経験が豊富であるため、自己判断よりも高額で安定した生活費を確保できる場合があります。
正確に手続きしてもらえる
弁護士に依頼することで、調停や審判の申立書の作成を代行してもらえます。
収入証明書や住民票、子どもの情報など、必要書類を整理して提出することができます。
また、家庭裁判所とのやり取りを代理で行ってもらえるため、手続きのミスや遅延のリスクが減ります。
調停期日の出席や交渉も代理できるため、精神的負担が大幅に軽減されるのも大きなメリットです。
心理的・交渉面でのメリット
相手に直接請求する場合、トラブルや気持ちの対立が起きやすいですが、弁護士を通すことで交渉が安全に進みます。
「支払わない」と言われた場合の対応(内容証明郵便や強制執行の準備)も任せられます。
共働きや複雑な家庭事情があっても、あなたと子どもの生活を最優先に考えた形での請求ができます。
将来的なリスクの回避
婚姻費用の合意書や調停調書を正しく作成することで、将来的に「支払われない」「金額が足りない」といったトラブルを防げます。
離婚や養育費請求に発展した場合も、スムーズに移行できます。
💡 具体例
子ども1人で夫婦共働き、夫の収入が高く妻が育児休業中の場合、自己申告だけでは算定表に基づく正確な生活費を請求できないことがあります。
弁護士に依頼することで、収入差を計算して月額を算出→住宅費や教育費を加味して調停で増額できる場合があります。
相手が「払えない」と言っている場合でも、弁護士が交渉や裁判所手続きを代理することで、給与や口座差押えやなど強制執行が可能になり、生活費をもらえる可能性が上がります。
まとめ
別居中の生活費は「婚姻費用」として請求可能です。

弁護士
請求は早めに行うことが大切です。不安な場合は弁護士にご相談ください。
■婚姻費用請求のポイント
✅ 婚姻費用には生活費・養育費・住居費が含まれる
✅ 算定表で収入・子どもの人数・年齢を基に金額を算出する
✅ 支払い拒否には調停や強制執行で対応できる
✅ 共働き・専業主婦を問わず、収入差があれば請求できる
生活費の不安で別居をためらう女性は多いですが、仕組みを理解し、必要な手続きを踏めば安心して新生活を始められます。
弁護士に相談し、あなたと子どもの生活を守るための一歩を踏み出しましょう。
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千葉県船橋市の離婚弁護士 西船橋ゴール法律事務所はこれまで100件を超える多くの夫婦問題・離婚問題を解決に導いて参りました。
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