離婚後でも慰謝料は請求できる|相場や時効についても解説

離婚後でも慰謝料は請求できる|相場や時効についても解説

すでに離婚を成立させている場合、「もう慰謝料を請求できないのでは」と不安になる方は少なくありません。

しかし、離婚後でも慰謝料の請求は法律上可能です。

この記事でわかること

・離婚後に請求できる慰謝料の種類

・どのようなケースで認められるのか

請求できる慰謝料の種類

離婚後に請求できる慰謝料には主に以下の種類があります。

離婚原因に基づく慰謝料

夫婦関係を破綻させた原因が配偶者の不貞行為、暴力(DV)、モラハラ、性格の不一致による精神的苦痛などである場合に請求できます。

特にDVや精神的苦痛は、記録や証拠があると裁判所で有利に判断されやすいです。

不貞行為に基づく慰謝料


結婚中に浮気や不倫があった場合、その事実を立証できれば慰謝料請求が可能になります。

証拠となるもの

✅ メール

✅ LINE

✅ 写真

✅ 録音 など

その他婚姻関係破綻による慰謝料


遺棄や生活費不払いなど、夫婦関係における義務を果たさなかった場合も、精神的苦痛を受けたとして慰謝料の対象となる場合があります。

川口晴久
弁護士

慰謝料の請求は原則として離婚の際に話し合うことが望ましいですが、離婚後でも時効内であれば請求可能です。

特に、離婚後に不貞が発覚した場合や、金銭の取り決めをしていなかった場合でも対応できます。

離婚後の慰謝料請求には時効がある

離婚後の慰謝料請求には時効が存在します。

これは請求権が一定期間を過ぎると消滅してしまうため、早めの対応が必要です。

不法行為に基づく慰謝料請求の時効

配偶者の不貞行為やDVなど、不法行為に基づく慰謝料請求は、原則として3年以内に請求しなければなりません。

これは、離婚が成立した時点や不貞行為が発覚した時点からカウントされます。

離婚請求と同時に発生した慰謝料請求
離婚と同時に慰謝料を請求しなかった場合も、やはり3年以内であれば請求権は残ります。

時効が過ぎると、裁判所に請求しても権利を主張できないため、離婚後の慰謝料請求を考える場合は、早めに弁護士や法律事務所に相談することが重要です。

離婚した後に慰謝料を請求する方法は?

離婚後に慰謝料を請求するには、いくつかの方法があります。

川口晴久
弁護士

自力で請求することも可能ですが、弁護士に依頼した方が安心です◎

話し合い(協議)で請求する


まずは相手と直接交渉して慰謝料の金額や支払い方法を決める方法です。

電話やメール、文書で交渉しますが、感情的になりやすく、支払いが滞るリスクがあります。

内容証明郵便で請求する


慰謝料請求の意思を正式に伝える方法です。郵便で送ることにより、請求の事実を証拠として残すことができます。

調停で請求する


家庭裁判所に調停を申し立てる方法です。

裁判よりも柔軟で早期解決が期待できます。

調停では双方の主張や証拠をもとに、慰謝料の金額や支払い条件を話し合います。

裁判で請求する


協議や調停で解決できない場合、裁判所に訴訟を提起して慰謝料請求を行います。

裁判では、証拠に基づいた立証が必要です。弁護士に依頼することで、主張の整理や証拠収集のサポートを受けられます。

離婚後の慰謝料の金額を決める要素

離婚後の慰謝料は、単に「離婚したからもらえるお金」という単純なものではありません。

裁判所や調停で判断される金額は、さまざまな事情を総合的に考慮して決まります。

ここでは、具体的にどの要素が影響するのかを詳しく解説します。

1. 離婚原因・有責性の重さ

慰謝料の金額で最も大きく影響するのが、離婚原因と配偶者の有責性(どれだけ婚姻関係を破綻させたか)です。

2.不貞行為(不倫や浮気)
結婚中に配偶者が不倫をして婚姻関係を破綻させた場合、証拠があれば慰謝料の増額要素になります。

メールやLINEのやり取り、写真や録音などが立証に使われます。

3.DV(暴力)やモラハラ
身体的・精神的な被害があった場合、慰謝料は高額になりやすいです。

病院の診断書や警察への相談記録、日記や録音も証拠になります。

4.遺棄や生活費不払い
婚姻期間中、配偶者が生活費を支払わなかったり、生活を放棄した場合も慰謝料請求の対象になります。

ポイントは、「有責性の強い行為=慰謝料増額の可能性が高い」ということです。

裁判所は単に離婚した事実ではなく、どの程度精神的苦痛を受けたかを重視します。

5.婚姻期間・生活状況

婚姻期間の長さや夫婦の生活状況も重要です。

■婚姻期間が長い場合
長期間にわたって精神的苦痛や不貞・DVの影響を受けていた場合、慰謝料は増額される傾向があります。

たとえば、10年以上の結婚生活で不貞があった場合、短期間の婚姻よりも慰謝料は高くなる可能性があります。

■生活への影響
離婚後に生活が困窮する場合、慰謝料の金額算定に影響します。

専業主婦だった場合や収入が少ない場合、相手の収入や財産も考慮されます。

6.精神的苦痛の程度・内容

慰謝料は、精神的苦痛の大きさによっても左右されます。

✅ DV・モラハラの影響の深さ
精神的に長期間苦痛を受けた場合は増額の要因となります。

✅ 不貞による裏切りの影響
結婚生活の信頼関係を著しく損なった場合、精神的損害が大きいと判断されます。

✅ 生活・仕事・子どもへの影響
離婚により生活が困難になった場合や、子どもへの影響が大きい場合も金額に反映されます。

裁判所は証拠に基づいて判断するため、医師の診断書や日記、カウンセリング記録、友人・家族の証言なども有効です。

7.他の慰謝料や金銭的取り決めとの兼ね合い

離婚時に財産分与や養育費の取り決めをしている場合、それらと慰謝料のバランスも考慮されます。

財産分与で多く受け取った場合、慰謝料は減額される傾向があります

養育費や生活費の支払いと合わせて、全体の金銭負担を調整する場合があります

このため、離婚後に慰謝料を請求する際は、既存の取り決めを確認することが重要です。

8.交渉・調停・裁判での実務的要素

慰謝料の金額は、交渉や調停、裁判での状況によっても変動します。

①話し合い(協議)
相手が自発的に支払いに応じれば、裁判よりも早く解決でき、金額を柔軟に設定できます。

②調停
家庭裁判所で双方の主張や証拠をもとに金額を決定します。

専門家(弁護士)を通じて提出する証拠の質が金額に影響します。

③裁判
裁判所は過去の判例や証拠をもとに慰謝料を算定します。

裁判所で認められる金額は、過去事例の相場や有責性、婚姻期間などの要素を総合的に判断して決まります。

不倫が離婚後に発覚したが、慰謝料や養育費を請求できる?

離婚後に配偶者の不倫が発覚した場合でも、慰謝料の請求は可能です。

重要なのは以下の点です。

不貞行為の証拠を集める
メール、LINE、写真、録音など、事実を示す証拠が必要です。

時効内で請求する
不貞行為が離婚後に発覚しても、3年以内であれば請求権は残っています。

養育費との関係
子どもがいる場合、養育費の請求も可能です。

離婚前に取り決めがなかった場合でも、家庭裁判所を通じて請求できます。

川口晴久
弁護士

つまり、離婚前に金銭の取り決めをしていなくても、離婚後に新たに慰謝料や養育費を請求することは法律上認められています。

離婚後に慰謝料が請求できないケース

離婚後に慰謝料を請求したくても、必ずしも全てのケースで請求できるわけではありません。

法律上の条件や実務上の判断によっては、請求が認められない場合があります。

ここでは、具体的なケースや理由、判断のポイントを詳しく解説します。

請求権の時効が過ぎている場合

慰謝料請求には時効があります。

時効を過ぎると、法律上の請求権が消滅してしまうため、裁判所でも認められません。

■不法行為に基づく慰謝料
不倫、DV、モラハラなどに基づく慰謝料は、原則3年以内に請求する必要があります。

離婚後に不倫が発覚しても3年以内なら請求可能です。

3年以上経過すると、請求権は消滅します。

■離婚そのものによる慰謝料
離婚時点で請求しなかった場合も、離婚成立後3年以内であれば請求可能です。

※時効のカウントは「慰謝料請求権を知った時点」または「離婚成立時点」から起算されます。

証拠が不十分な場合

離婚後の慰謝料請求は、裁判所や調停で証拠に基づく立証が必要です。

証拠が不足している場合、慰謝料請求は認められません。

✅ 不貞行為の証拠不足
相手が浮気をしていたと主張しても、メールや写真などの証拠がなければ裁判所は認めません。

✅ DV・モラハラの証拠不足
暴力や精神的苦痛を受けたと主張しても、診断書・警察記録・録音などがないと、慰謝料増額は難しいです。

✅ 曖昧な記憶や第三者証言のみ
「なんとなく不倫していた気がする」というレベルでは、請求は成立しません。

ここがポイント!

証拠は慰謝料請求の成否を左右する最も重要な要素なので、確実に集めておきましょう。

離婚原因が双方にある場合

慰謝料請求は、原則として相手に有責性がある場合に認められます。

しかし、離婚原因が夫婦双方にある場合、請求は減額されるか認められないことがあります。

✅ 双方に不貞行為があった場合
お互いに浮気や不倫をしていたケースでは、慰謝料の請求は困難です。

✅ 性格の不一致や一方的な意見の食い違い
離婚理由が単なる価値観の違いや性格の不一致のみの場合、慰謝料請求は認められません。

✅ 離婚に至るまでの事情が複雑な場合
一方的に相手を責められない状況では、請求権が制限されることがあります。

社会的に認められない理由による場合

法律上、慰謝料は精神的苦痛や不法行為に基づく損害を補填するものです。

そのため、請求理由が社会的に認められない場合、請求は成立しません。

✅ 単なる「性格の不一致」や「気が合わなかった」だけ

✅ 結婚生活中の小さな喧嘩や価値観の違い

✅ 離婚後の不満や恨みだけを理由にする場合

ここがポイント!

慰謝料の可否を判断する重要な基準となるのは、離婚理由として「配偶者の行為が有責かどうか」です。

既に金銭的取り決めや合意がある場合

離婚時に慰謝料について話し合いや合意が成立している場合、基本的には追加請求はできません。

■財産分与や慰謝料で合意済みの場合
離婚協議や調停で慰謝料の金額・支払い方法を決め、双方が承認している場合、原則として請求はできません。

■口頭や文書での合意
口頭合意でも慰謝料に関する取り決めがある場合、請求は難しくなります。

証拠があれば交渉で再請求できる可能性もありますが、基本は合意した事項を尊重します。

離婚後に慰謝料を請求する際の注意点

注意点

離婚後に慰謝料を請求する場合、法律上のルールや実務上の注意点を理解していないと、請求が認められなかったり、トラブルに発展する可能性があります。

ここでは、特に気を付けるべきポイントを詳しく解説します。

1. 時効に注意する

慰謝料請求には時効があります。時効を過ぎると、法律上の権利が消滅してしまい、請求は認められません。

■不法行為に基づく慰謝料
 不倫、DV、モラハラなどの精神的損害に基づく慰謝料は、慰謝料請求権を知った時点から3年以内に請求する必要があります。

■離婚そのものに基づく慰謝料
 離婚成立後でも、原則として3年以内に請求する必要があります。

2.証拠を確実に準備する

慰謝料請求は、立証が可能でなければ認められません。裁判所や調停では、請求者側が精神的苦痛や不法行為の事実を証明する必要があります。

✅ 不倫や浮気の証拠
 LINEやメールのやり取り、写真、録音など

✅ DV・モラハラの証拠
 診断書、警察への相談記録、日記や録音

✅ 生活費の不払い・遺棄
 銀行振込記録、家計簿、証人の証言

ここがポイント!

証拠はできるだけ日時や内容が明確なものを集めることが重要です。

証拠がない場合、請求自体が認められないリスクがあります。

3.相手との交渉は慎重に行う

離婚後に相手と直接やり取りして慰謝料を請求する場合、感情的になってしまうと交渉が難航してしまいます。

✅ 感情的なメールやLINEは避ける
メッセージでやり取りした履歴は、後で裁判や調停で証拠として使われる可能性があるため、内容に注意が必要です。

✅ 話し合いは文書で残す
交渉内容や金額、支払い方法を文書やメールで記録すると、後で証拠になります。

✅ 内容証明郵便で請求書を送る
慰謝料請求を正式に行う場合、内容証明を利用すると、請求の意思や日時を公式に残せます。

4.財産分与・養育費との関係に注意する

離婚後に慰謝料を請求する場合、財産分与や養育費との兼ね合いも重要です。

財産分与や養育費で既に合意がある場合、慰謝料の請求額が調整されることがあります。

川口晴久
弁護士

離婚協議や調停での取り決め内容を確認してから請求すると、トラブルを防げます。

5.請求額は現実的に設定する

慰謝料の金額は、裁判所が認める範囲や相手の支払い能力を考慮して設定する必要があります。

高額すぎる請求は交渉が難航する可能性があります。

支払い能力がない場合、裁判所でも減額されることがあります。

ここがポイント!

過去の判例や調停・裁判の事例を参考に、妥当な金額を設定することが重要です。

6.言い訳や曖昧な理由で請求しない

慰謝料請求は、法律的に認められる正当な理由が必要です。

「結婚生活が嫌だったから」「性格が合わなかったから」だけでは認められません

請求理由は「不法行為・精神的苦痛を与えた事実」に基づく必要があります

7.慰謝料請求後の対応を考えておく

慰謝料請求後は、相手が支払わないケースもあります。

その場合に備えて、対応方法をあらかじめ検討しておくことが大切です。

■支払い拒否の場合
裁判で強制執行(給料や預貯金の差押え)が可能です

■分割払いの交渉
相手の収入状況を考慮し、現実的な支払い計画を提案する

■証拠の保全
慰謝料請求のやり取りや証拠は、必ず保管しておく

離婚後の慰謝料請求についてよくある質問

Q1. 離婚後すぐに慰謝料請求できますか?
A1. はい、離婚後であっても請求可能です。

協議、内容証明、調停、裁判などの方法があります。

Q2. 不倫が離婚後に発覚しました。慰謝料は今から請求できますか?
A2. 可能です。時効より前であり証拠がそろっていれば、離婚後でも慰謝料や養育費を請求できます。

Q3. 時効はいつまでですか?
A3. 不法行為に基づく慰謝料請求は、原則3年以内です。

離婚原因の発覚時点からカウントされます。

Q4. 弁護士に依頼するメリットはありますか?
A4. 請求権の判断、証拠整理、交渉、裁判手続きまで幅広くサポートしてもらえます。

Q5. 金額はどのくらいもらえますか?
A5. ケースによりますが、50万〜300万円が一般的な相場です。

有責性や婚姻期間によって増減します。

離婚後の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

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離婚後の慰謝料請求は、法律的な知識と交渉力が必要な場面が多いため、弁護士に依頼するメリットが大きいです。

1.請求できるか・金額の妥当性を判断してもらえる

✅ 時効や証拠の有無、離婚原因の有責性などをチェックしてくれる

✅ 現実的で妥当な慰謝料額を確認できる

2.証拠整理や書類作成をサポートしてもらえる

✅ 不倫やDVの証拠を整理して提出可能になる

✅ 内容証明や調停申立書などの書類作成も任せられる

✅ 証拠が不十分な場合の補強方法もアドバイスしてくれる

3.交渉や裁判手続きを代理してもらえる

✅ 感情的な対立を避けて交渉できる

✅ 調停や裁判で証拠に基づき主張できる

✅ 支払い確保や強制執行なども任せられる

川口晴久
弁護士

弁護士に依頼するメリットはあるか、などもお気軽にご相談ください◎

離婚後の慰謝料請求はまず弁護士に相談しよう

離婚後の慰謝料請求は、法律の知識や証拠の整理が重要であり、自力で進めるのは難しい場合があります。

離婚後でも慰謝料請求は可能ですが、時効や証拠の収集状況を考慮すると、できるだけ早く弁護士に相談することが、安心して問題を解決する近道です。

この記事では、離婚後の慰謝料請求の基本から具体的な流れ、時効や金額の相場、注意点までを詳しく解説しました。

離婚後であっても、適切な手続きと証拠があれば慰謝料を請求することは十分可能です。

川口晴久
弁護士

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