【佐倉警察署】未成年との不同意性交(取調べ同行で辿り着いた不起訴) |千葉船橋で刑事事件を弁護士に相談

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【佐倉警察署】未成年との不同意性交(取調べ同行で辿り着いた不起訴)

相談者

20代会社員男性

相談前

アプリでの出会い

相談者(東京都在住男性)は、アプリで出会った千葉県に住む女の子と、趣味が合い、メッセージを交わすうちに「付き合っちゃおう」と言い合うほど親密になりました。

アプリ上では女の子の年齢が18歳と記載されていたので、相談者もそのつもりで認識していました。

年下だけど気が合うという思いでドキドキしながら毎日のメッセージを楽しんでいたのです。

女の子と写真交換をして、「かっこいいね」と言われるなどして、益々その気になっていました。

1か月ほどメッセージを交わしてから、実際に会うこととなりました。

会うと2人はすぐに親密になり、その日のうちにホテルで性交渉をしました。

その際相談者は、女の子にそれなりの男性経験があるように聞いていて、普段はアルバイトなどをしているとのことでした。

別れ

時々会って遊ぶ関係が3か月ほど続きましたが、あるとき、女の子の浮気が発覚し、怒った相談者は、その女の子との交際を終えることを決意しました。

女の子は、謝罪したうえで「もう浮気しないから別れないで」と後ろ髪をひきましたが、相談者はきっぱり別れることにし、その後連絡を絶ちました。

それに腹を立てたのか、後日の事件の引き金となりました。

突然の家宅捜索

交際終了から半年後、突然、相談者の家(東京)に警察が押しかけてきました。

捜索令状という許可状をもって、「〇〇さんだよね。裁判所からの令状が出てるから、家の中をみせてもらうよ」と言って中に入ってきました。

ひとしきり家の中を見たあと、警察官は「今度取調べに呼ぶから。君が関係をもったあの女の子が、中学生だって知ってたよね?」と言いました。

驚いた相談者は、「中学生!?そんなはずはないです!」と言いましたが、警察官は、「もう証拠掴んでるから」と述べて去っていきました。

後から知ったことでは、どうやら女の子は、自分の年齢を偽って相談者と交際していたようです。

しかし、あくまで女の子は、自分はちゃんと本当の年齢を伝えたうえで交際、性交に至ったのだという前提で、警察署に被害届を出していたのです。

現在の刑法では、無理やり性交(淫行)に及んだのでなくても、「16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)」については、処罰対象となってしまいます。

しかも、刑は、「5年以上の有期拘禁刑」というとても重い罪です。相談者は、心配で寝られなくなり、食事ものどを通らなくなってしまい、家族との相談の上、弊所にご連絡をくれました。

依頼後

取調べ前のアドバイス

このタイプの不同意性交では、(相談者が実際には女の子と5歳以上年が離れていたので)女の子が16歳未満であると”知っていたか”が重要なポイントです。

いつ知っていたかというと、性交のときです。性交のあとで真実を知ったとしても、罪にはなりません。

なぜ18歳以上だと思ったかを、弁護士と一緒に、マッチング後~実際に会ったときまで記憶を振り返り、いざ警察官に対峙する際にきちんと話せるよう、準備をしました。

意外と、いきなり問われると出てこないものですから、こういった事前準備が必要です。

当時の会話内容、見た目、学歴の話、家庭環境の話など、少しでも、”大人”と認識した事情について、まとめてから取調べに臨みました。

そして、何があっても、警察官が作る調書には署名押印してはならないことを、念を押して伝えました。

(と言っても警察官は説得してくるので、やはり弁護士が同行してけん制することが重要です)

取調べ同行

警察官が家に来た時にかなり高圧的であったので、再び会うのが恐い、取調べ室に呼ばれて2人きりで話すとなるのは更に恐いとのことでした。

おっしゃるとおり、警察の取調べは徐々にヒートアップして恐いものとなりがちです。否認事件ならなおさらです。

そこで、弁護士が同行することとし、事前に警察にその旨を伝えるとともに、供述はするが調書へのサイン(署名押印)はしないことを宣言してから取調べに臨みました。

警察署での取調べ

午前10時~12時までと、昼休憩を挟んで午後1時~5時頃まで行いました。

弁護士は、取調べ室には入れないものの、始める前に、取調べ担当官と会い、挨拶をしました。

そこでは改めて調書にサインしないことを予告しました。

また、近くで待機しているため、取調べ中に何か(答えに困ることや心配なことが)あったら被疑者からいつでも相談を受けられるようにさせてもらうことを伝えました。

実際に、適宜依頼者が「弁護士さんと話したいです」と言って取調べを中断し、相談してもらうことを1日に何度も繰り返しました。

取調べ時間のルール 

また、国家公安委員会の規則である犯罪捜査規範には、以下の取調べルールが定められています。

任意性の確保

第168条 1項 取調べを行うに当たつては、強制、拷問、脅迫その他供述の任意性について疑念をいだかれるような方法を用いてはならない。
2項 取調べを行うに当たつては、自己が期待し、又は希望する供述を相手方に示唆する等の方法により、みだりに供述を誘導し、供述の代償として利益を供与すべきことを約束し、その他供述の真実性を失わせるおそれのある方法を用いてはならない。

3項 取調べは、やむを得ない理由がある場合のほか、深夜に又は長時間にわたり行うことを避けなければならない。この場合において、午後10時から午前5時までの間に、又は1日につき8時間を超えて、被疑者の取調べを行うときは、警察本部長又は警察署長の承認を受けなければならない。

このように、休憩時間を除いて1日8時間が限度です。疲弊してありもしない自白をしてしまうことを防止するためです。弁護士は、取調べ開始とともにストップウォッチで計測を開始しました。

そういった様子も見ている警察官としては、弁護士から監視されている以上、ルールに反した無茶な取調べはしづらくなります。

こういった状況でも、警察官は、2人の密室取調べになると「年齢を知らなかったなんて嘘をいうな。どうせお前はモテないんだろう。だから年下に手を出したんだ。白状しろ。本当にいいのか、反省してないように思えるぞ」などと述べたようです。

取調べ終了後、相談者は「弁護士先生が来てくれなかったらもっとひどいことを言われたでしょうし、心が参ってしまうところでした」と、何度も言っていました。

現に、弁護士がついていないケースでは、警察官が被疑者に対し、(上記の例よりもきつい)人権侵害ともとれる罵声を浴びせる例を、未だに聞きます。

冤罪事件の数々が明らかになった今もなお、警察に自浄作用が働いていないことを残念に思います。

(余談ですが、心理学的にみれば、被疑者だと疑いをかけた人間に対し組織的リソースを割いて捜査を行った以上、もう後戻りしづらいとか、目の前の被疑者を真犯人だと思い込みたくなる正当化心理から、本当にそう思い込んできつく当たってしまう心を、人間だれしもが持っているのかもしれません。捜査確証バイアスとでも呼んでみましょうか。)

検察庁送致後(示談)

その後、検察庁に事件が送致され、呼び出しを待ちました。

その時までずっと、認識面を争っていたので、そのまま争い続けて不起訴を待つという手もありました。

しかし、検察官も、依頼者に一定の理解を示してくれて、知らなかったと主張するにせよ、自分の悪いと思うことについては謝罪し示談したらどうかという提案をしました。

相談者としても、知らなかったにせよ結果的には若い方に手を出してしまったことには間違いがないこと、自分が大人なのだから、真に受けずにきちんと確認すればよかったと後悔していること、そして、この件で女の子の家族や多くの方々に心労を与えてしまっていることも深く自覚していたことから、謝罪し示談することを希望すると決断しました。

そこで、弁護士と相談のうえ、きちんと反省を示すための手紙を用意し、弁護士がそれを持って女の子のご家族に会いに行きました。

ご家族も大変な苦痛を負い、事件により生活が一変してしまった苦悩があるとのことでした。

加害者にも被害者にも、とても大変なことが起きるのだと改めて実感する機会です。

状況を追って相談者に報告し、改めて謝罪の言葉を預かった弁護士からご家族へ連絡し、金銭賠償をして示談に至りました。

上記により、不起訴処分となり、前科がつかず、解決しました。

弁護士からのコメント

本件では、争い続けるべきか、示談をすべきか、非常に悩む件でした。

事件は1つとして同じものはないので、具体的状況に応じて、何がベストな選択であるかを、依頼者が置かれた状況や捜査状況から総合して考える必要があります。

コミュニケーションがとても大事です。

行く末をわかっている弁護士だからこそ、今できるアドバイスがあります。

早期に相談してくれたことで、全ての流れを弁護士が把握でき、最善の選択ができました。


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