逮捕されるかもしれない
犯罪に当たると思われる行為をしてしまった方の中には、逮捕されるかもしれないと怯えながら暮らしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不安を抱えたまま、日常生活を送るのはきついですし、何も楽しめないと思います。
そのようなときは、弁護士に相談し、被害者との示談を行ったり、自首したりすることで、逮捕されるかもしれないとの不安から逃れるべきではないでしょうか。
逮捕されるかもしれないと不安を抱えている方が、今、できることを解説します。
逮捕されるかもしれないと怯えているあなたへ
犯罪に当たる行為をしてしまったために、警察に逮捕されるかもしれないと怯えながら生活するのは、精神的にきついものです。
警察に「私は逮捕されますか」と質問しても答えてくれるわけではありませんし、逆に「何をしたのか」と根掘り葉掘り聞き出されて、本当に逮捕されてしまうことになりかねません。
逮捕するかどうかは警察のみが知る
犯罪行為を犯した人を逮捕するかどうかは、警察が判断します。
捜査がどこまで進んでいるのか、また、犯人の目星はついているのかといったことも、警察に問い合わせたところで、教えてくれるわけではありません。
弁護士に依頼して代わりに警察に聞いてもらったところで、正確な話は聞き出せません。
そもそも逮捕は何のためにするのか
警察の逮捕は、犯罪を犯した人への刑罰の一環として行われているわけではありません。
- ・被疑者が、逃亡する恐れがある。
- ・被疑者が、罪証隠滅を行う恐れがある。
このような恐れがある場合に逮捕するのであって、様々な事情を考慮し、こうした恐れがない場合は逮捕状が出されないことになっています。(刑事訴訟規則143条の3)
また、30万円以下の罰金、拘留又は科料といった軽い刑罰しか科せられない犯罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合や正当な理由がなく捜査機関の出頭の求めに応じない場合以外は、逮捕されません。
逮捕されるかどうか不安な方が今できること
犯罪に当たると思われる行動をしてしまったとしても、必ず逮捕されるわけではありません。
例えば、人のことを殴ってしまった場合は、傷害罪や暴行罪に当たりますが、殴られた人が入院したり、医者にかかったとか、その場で通報されたというのでない限り、犯罪として認知されることは少ないです。
もちろん、後で被害者が被害届や告訴状を出した場合は、警察が捜査を行い、逮捕される可能性もあります。
そのような場合は、逮捕されるかどうか不安な状況に置かれてしまうことになります。
逮捕される前に被害者と示談しておく
被害者が知り合いであれば、犯罪行為について、謝罪したうえで示談交渉を行うことは逮捕を免れるために有効です。
示談が成立すれば、捜査機関も加害者が逃亡する恐れがなく、罪証隠滅を行う恐れもないと判断して、逮捕しない方針を固めやすいためです。
また、被害者の告訴が犯罪成立の要件となっている親告罪については、示談成立と共に、被害者から告訴しないとの確約をもらったり、告訴状を取り下げてもらうことで、逮捕を防ぐこともできます。
示談交渉は弁護士に依頼すべき理由
加害者が被害者に直接対面して示談を持ち掛けてても、次のような理由により、うまくいかないことも多いです。
そもそも話し合いすらうまくいかず、却って被害者を怒らせてしまう。
被害者が加害者に対して険悪な感情を抱いている状況だと、被害者感情を逆なでしてしまい、むしろ、被害届や告訴状を出されてしまう可能性があります。
加害者であるため、非常に不利な立場での交渉になってしまう。
被害者が激高している状況だと法外な慰謝料を求められてしまうこともあります。
そのような場合でも、被害者の立場上、相当な慰謝料の相場について説明するのは難しく、相手の要求を飲まざるを得なくなることもあります。
脅迫されたなどと言いがかりをつけられて却って事態が悪化する。
被害者が加害者と直接会ったという事実は、捜査機関から見れば脅したとか証拠隠滅を図ったと捉えられかねない行動です。
被害者からそのような主張がなされてしまうと、その後の捜査や取り調べで不利になることがあります。
このような理由により、加害者が被害者と直接会って、示談を試みることは賢明な行為ではありません。
被害者と示談を進めるのであれば、必ず、弁護士を介して行うべきです。
また、そもそも、被害者の氏名住所が分からない場合は、加害者がその情報を知る術はありません。
このような場合は、弁護士が警察や検察に問い合わせて、情報を入手するしか方法はありません。
逮捕される前に自首を検討する
贖罪意識があり、逮捕されるか不安な日々を過ごすよりも、自首したいと考えているのであれば、自首することは、有意義な方法と言えます。
逮捕される前に自首することのメリット
自首することにより、
- ・逮捕を回避できる可能性がある。
- ・刑罰が軽減されたり、不起訴処分になることもある。
- ・被害者との示談交渉がまとまりやすくなる。
などの良い方向に動くこともあります。
何より、不安な日々から解放されて、穏やかな気分を取り戻せます。
ただ、重大な事件の場合は、自首した後で、逮捕されてしまうことは覚悟しなければなりません。
それでも、自首したことは、後の刑事裁判でも有利に働きます。
自首する際は弁護士に同行してもらうべき
自首する際は、自分一人で警察に連絡して、警察署に出向くよりも、弁護士に同行してもらった方が良い結果になりやすいです。
まず、犯罪に至った経緯については、弁護士から説明した方が、捜査機関に話が伝わりやすいですし、不利なことはあえて伏せて話すこともできます。
また、弁護士が身元引受人になる形を取れば、逃亡や罪証隠滅を行う恐れがないと判断されて、逮捕されにくくなることもあります。
任意出頭を求められている場合はどうすべきか
任意出頭を求められている場合は、出頭すれば逮捕されるのではないかと不安になることもあると思います。
警察が任意出頭を求めるのは、対象者が事情を知っていそうな場合や犯人と疑われる場合です。
特に、犯人と疑われている場合は、任意出頭することで逮捕されてしまう可能性があります。
ただ、この場合、正当な理由なく任意出頭を拒否したり、逃亡を試みたりすると、警察から「逃亡する恐れがある」と見られてしまい、本当に逮捕されてしまいます。
任意出頭を求められていて逮捕されたくない場合は、素直に出頭するのが最も逮捕されにくい方法です。
それでも不安な場合は、弁護士に相談してください。
自首する場合と同様に、弁護士から事情を説明したり、弁護士が身元引受人になる形を取れば、逃亡や罪証隠滅を行う恐れがないと判断されて、逮捕されにくくなることもあります。
まとめ 逮捕されるかもしれない不安から逃れるには被害者と示談すべき
逮捕されるかもしれない不安から逃れるために今すぐにやるべきことは被害者との示談を成立させることです。
弁護士に依頼して、被害者との示談交渉を進めましょう。
警察から任意出頭を求められている場合も、弁護士に相談し、弁護士に付き添ってもらいながら出頭することで逮捕を免れることもあります。
いずれにしても、逮捕の不安を抱えているならば、今すぐに刑事弁護専門の弁護士にご相談ください。