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痴漢で逮捕…慰謝料はいくら?初犯でも100万?示談の注意点とあわせて刑事弁護のプロが解説

痴漢で逮捕。初犯でも100万?示談の注意点とあわせて刑事弁護のプロが解説

痴漢事件は、逮捕直後の初動対応、とりわけ被害者との「示談」がその後の起訴・不起訴や執行猶予等の処断に影響します。

痴漢の示談の成功率を高めるポイントはいくつかありますが、重要なのは示談金として支払う「慰謝料」です。

この記事では、痴漢で逮捕された人やそのご家族に向けて、「慰謝料の相場」「慰謝料金額に影響する要因」「示談交渉の注意点」などを刑事事件に詳しい弁護士がわかりやすく具体的に紹介します。

慰謝料と示談金の違い

刑事事件の示談交渉でよく混同されるのが「慰謝料」と「示談金」です。

慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。

一方、示談金は、慰謝料だけでなく治療費や交通費などの実費を含めた、当事者間で合意した金銭的償いの総額を指します。

示談金の内訳は慰謝料が中心ですが、そのほかにも「被害者が通院した場合の治療費」「事件により仕事を休んだ場合の休業損害」「痴漢による精神的ショックで電車に乗れなくなり、タクシー通勤を余儀なくされた場合の交通費」なども含まれます。

弁護士
赤井耕多

「慰謝料は示談金の中に含まれる」と考えると分かりやすいでしょう。

痴漢の慰謝料の相場は罪名によって変わる

痴漢事件の慰謝料の相場は、痴漢行為が迷惑防止条例違反になるか、不同意わいせつ罪(2023年刑法改正前の「強制わいせつ罪」)になるかで変わります。

迷惑防止条例違反の慰謝料の相場:10〜50万円

衣服の上から触る程度の痴漢行為は、多くの場合、各都道府県の迷惑防止条例違反として扱われます。

迷惑防止条例違反として処理される痴漢事件の慰謝料は、10万円から50万円が相場です。

ただし、最終的な慰謝料の金額は、行為の悪質性や被害者の精神的苦痛の程度によって決まるため、相場はあくまでも目安にすぎません。

例えば、「初犯で、行為の態様も軽微。真摯な反省の気持ちを示している」というケースでは、慰謝料は10万円から30万円程度でまとまるのが通例です。

一方、「身動きが取れない満員電車での執拗な行為」や「被害者が未成年者で、精神的損害の度合いが大きい」といったケースでは、たとえ初犯だとしても慰謝料が50万円〜100万円に増えることもあります。

不同意わいせつ罪の慰謝料の相場:50〜100万円超

「下着の中に手を入れる」「性器を触る」などの直接的な身体接触を伴う痴漢行為は、迷惑防止条例違反よりも重い不同意わいせつ罪(刑法176条)として処罰されます。

不同意わいせつ罪の加害者が被害者との示談を試みる場合、慰謝料は最低でも50万円、事案によっては100万円超と高額になることも珍しくありません。

不同意わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑です。迷惑防止条例違反とは違い、罰金刑はありません。

弁護士
赤井耕多

刑がそれだけ重い理由は、被害者が被る精神的ダメージが非常に大きいからです。

したがって、痴漢行為が不同意わいせつ罪に当たる場合、示談を成立させるのに高額な慰謝料が必要となるのは当然といえるでしょう。

痴漢の示談で慰謝料金額に強く影響する6つの要因

痴漢事件で逮捕された場合、「示談金はどのくらいかかるのか」と不安に感じることでしょう。

どのような要因が慰謝料の金額に影響するのでしょうか。

主な要因は以下の6つです。

痴漢行為の継続時間

痴漢行為の継続時間と被害者の精神的なダメージはおおむね比例します。

例えば、被害者の抵抗をさえぎって数分間にわたり行為を継続したようなケースでは、「悪質性が極めて高く、被害者の精神的損害は甚大である」と判断されます。

したがって、慰謝料の金額をかなり上げないと示談成立は難しいでしょう。

処罰感情の有無・程度

被害者が「厳罰に処してほしい」と強く願っているのか、それとも「真摯に反省しているのであれば許してもよい」と考えているのかで、慰謝料の金額は大きく変わります。

処罰感情が非常に強い場合、相場よりも高額な慰謝料を提示しなければ示談に応じてもらえないこともあります。

被害者の属性と精神的被害の程度

未成年者が被害者である場合、慰謝料が高額になる傾向があります。

また、被害者が事件後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するなど、重篤な精神的ダメージを受けたことが明らかになった場合は、そうでない場合に比べて慰謝料は高くなります。

加害者の経済力や地位

医師などの専門職や、上場企業の役員など、経済力や社会的地位が高い人物が加害者である場合、一般的な会社員と比較して高額な慰謝料を求められることがあります。

前科・前歴の有無

過去に同種の犯罪歴がある場合、慰謝料が大幅に増額されるのが一般的です。

初犯であれば30万円程度で済む事案でも、前科がある場合は100万円を超えることもあります。

示談交渉のタイミング

逮捕直後の早期示談と、起訴後の示談では金額に差が生じます。

一般的に、不起訴を目指す早期示談のほうが、被害者側も早期解決のメリットを感じるため、相対的に低い金額で示談がまとまる可能性があります。

痴漢事件においては「示談成立」こそが不起訴のカギ

痴漢事件で逮捕された被疑者が不起訴となるためには、被害者との示談成立が必須です。

ここからは、なぜ示談すると不起訴の確率が高くなるのかを解説します。

示談成立までのタイムリミット「23日ルール」とあわせて理解しておきましょう。

示談成立により不起訴率は高くなる

検察官は、犯罪の悪質性、証拠の強弱、被疑者の反省の程度、そして被害者の処罰感情を総合的に考慮して起訴・不起訴を決定します。

痴漢事件の処断において特に重視されるのは被害者の処罰感情です。

痴漢のような性犯罪は、社会的な影響よりも、被害者個人の精神的苦痛を重視すべきだからです。

したがって、「示談が成立したので、もう処罰を望まない」という意思を被害者が明確にしているのであれば、不起訴処分となる可能性が高くなります。

示談成立までのタイムリミット「23日ルール」

痴漢事件で逮捕された場合、勾留期間を含めて最大23日間の身柄拘束が可能です。

不起訴処分を獲得するためには、この期間内に示談を成立させることが極めて重要だといえます。

逮捕から勾留決定までは、最大72時間(3日間)という時間制限があります。

勾留期間は原則10日間で、延長されれば最大20日間です。

検察官は、この23日間の期限内に起訴・不起訴を決定しなければなりません。

では、示談成立のタイムリミットはいつ頃でしょうか?

勾留期間ギリギリの23日目に示談を成立させても構わないのかというと、実はそうではありません。

検察官の上司への報告など手続きの流れを考慮するなら、勾留満期の3日前には示談を成立させるのが適切でしょう。

したがって、逮捕されてから20日以内に示談を成立させることが、不起訴処分を獲得する上での実質的なタイムリミットです。

この期間を過ぎても示談交渉は可能ですが、起訴された後の示談となる可能性が高いため、不起訴処分ではなく執行猶予付き判決の獲得が目標となります。

示談交渉の6つの注意点

示談交渉には必ず押さえるべき注意点があります。

刑事事件の実績が豊富な弁護士であれば、これらの注意点に配慮しながら慎重に示談を進めるので、成功率も高くなります。

(1)被害者の連絡先の取得方法

被害者の連絡先の取得は、警察または検察を通じて行うのが原則です。

弁護士
赤井耕多

加害者本人が直接取得しようとすると、被害者が警戒して示談交渉が難しくなります。

そればかりか、証拠隠滅の疑いを持たれてしまい、勾留が長期化するリスクさえあるので要注意です。

また、個人情報保護の観点から、捜査機関が被害者の同意なく連絡先を開示することはありません。

代理人弁護士から警察の担当者に連絡し、示談の意向があることを伝えてもらいます。

被害者が示談に応じる意思を示した場合のみ、弁護士にのみ連絡先が開示されます。

(2)被害者が納得できる示談金の提示

慰謝料を含む示談金を提示する際は、被害者の感情に充分配慮した金額であることが重要です。

最初の提示額は、相場の中間値から上限の間で設定することが望ましいでしょう。

例えば、迷惑防止条例違反の場合、相場が10〜50万円であるため、初回の提示は30〜40万円程度が適切でしょう。

低すぎる金額の提示は、被害者の感情を逆なでし、交渉決裂のリスクを高めます。

(3)絶対NGな言葉遣い

示談交渉において「絶対に使ってはいけないNGワード」があります。

「大したことはしていない」「被害は軽微だ」「他の人もやっている」などの言葉は、被害者の強い怒りを招き、示談を不可能にします。

また、金銭での解決を優先するかのような露骨な言葉遣いは避けなければなりません。

慰謝料の金額が示談に影響するのはたしかですが、だからといって被害者に対して「もっとお金が欲しいのですか?」「これくらい払えば充分でしょう」といった無礼な言動を見せることは、相手の態度を硬化させるので絶対にNGです。

(4)宥恕条項を交換条件にしてはいけない

示談書には以下にあげる項目を必ず含めます。

  • 事件の特定(日時、場所、行為の概要)
  • 謝罪文言
  • 示談金額と支払い方法
  • 宥恕条項(被害者が加害者を許す旨の文言)
  • 清算条項(示談金以外の債権債務関係が存在しないことを確認する文言)
  • 守秘義務条項

特に重要なのは宥恕条項(許しの文言)です。

「被害者は被疑者を宥恕し、処罰を望まない」という文言があることで、検察官は不起訴処分を選択しやすくなるからです。

ただし、宥恕条項が必須だからといって、被害者に対して「宥恕条項を入れなければ慰謝料を値下げする」などと交換条件のように利用することは避けなければなりません。

かえって被害者の処罰感情が増幅し、示談がまとまらなくなるおそれがあるからです。

被害者の真意に基づく許しの文言となるよう、宥恕条項は慎重に取り扱う必要があります。

(5)示談書は勾留満期の3日前には提出する

示談が成立したら、速やかに示談書の写しを検察官に提出します。

検察官は示談書を確認し、被害者に直接連絡を取って、示談の真意を確認することがあります。

この確認作業には通常2〜3日を要するため、勾留満期の3日前までには示談書を提出することが望ましいでしょう。

(6)示談拒否をされても諦めない

示談を拒否されたからといってすぐに諦める必要はありません。

時間をおいて再度交渉したり示談金額を増額したりすることで、示談が成立することも多いからです。

最終的に示談が成立せず起訴されてしまった場合でも、誠実に示談交渉を行った事実があれば、裁判官が酌量減軽を行う際に考慮されます。謝罪文を送付するなど反省の意を形で示すことが重要です。

弁護士に依頼すると特に効果的な3つの場面

痴漢事件で逮捕された場合、刑事事件の経験が豊富な弁護士に依頼することでさまざまなメリットが得られます。

特に以下にあげる3つの場面では、弁護士による適切な弁護活動が大きな効果を発揮します。

弁護士による接見で釈放を早めたいとき

逮捕後72時間以内は家族も面会できない状況であり、弁護士だけが被疑者と接見できる貴重な時間です。

早期釈放の可能性を高めたいのであれば、弁護士による適切な接見は必須です。

弁護士は接見を通じて、事件の詳細を聞き取り、弁護の方針を立て、被疑者に黙秘権の行使方法や取調べに対する向き合い方などをアドバイスします。

同時に、勾留請求に対する意見書を作成し、検察官や裁判官に対して被疑者の早期釈放を働きかけます。

被害者の処罰感情が強く、示談を拒否しているとき

被害者が強い処罰感情を持っている状態では、時間がいくら経過しても示談成立の見込みは立ちません。

このような場合、加害者本人がアプローチを重ねても逆効果です。

弁護士のように関連法規の専門知識を有する第三者が、冷静かつ客観的な立場で交渉を行うことで、少しずつ被害者との距離を縮めることが大切です。

弁護士が被害者の感情に充分配慮しながら、法的解決と金銭的保障のバランスが取れた提案をすることで、被害者側も示談を受け入れやすくなります。

会社バレ・報道リスクを最小化したいとき

加害者が社会的地位の高い人や有名企業の社員の場合、逮捕の事実が所属する会社に知られたりメディアで大きく報道されたりすることはできるだけ避けたいでしょう。このような場合、経験豊富な弁護士の対応が不可欠です。

弁護士は、捜査機関に対して被疑者の社会的地位や家族の状況を説明し、早期釈放や在宅事件への切り替えを要請します。

家族に対しては、メディアの取材にどう対応すべきかをアドバイスするとともに、対応窓口を一本化するために弁護士の連絡先を公開することもあります。

マスメディアの報道が加熱すると家族の平穏な日常生活は一瞬で失われてしまいます。

弁護士
赤井耕多

弁護士のサポートを活用して自分のプライバシーを守りましょう。

弁護士費用の目安

弁護士による接見の費用は、1回あたり3万円〜5万円が相場です。ただし、交通費等の実費は別途必要です。法律事務所によっては、夜間・休日の接見に追加費用を請求することもあります。

痴漢事件の弁護士費用の総額は、50万円から150万円程度になるのが一般的です。接見費用以外の内訳は、示談交渉の着手金で20〜50万円、成功報酬で30〜100万円、その他実費で5〜10万円です。

(まとめ)早期示談で日常を取り戻すためにすぐに行動を

痴漢事件で起訴を回避するカギは「早期の示談成立」です。

一刻も早く刑事事件に強い弁護士に依頼し、被害者との誠実な示談交渉を行い、適切な慰謝料を支払うことで、早期かつ確実な社会復帰が可能となります。

もし痴漢で逮捕されてしまったら、刑事事件の解決実績が豊富な西船橋ゴール法律事務所にご相談ください。

ご連絡はお電話(7時~20時、土日祝も可)のほか、メール(24時間受付)にも対応しています。

ご家族からのご相談は初回30分無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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