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警察署への差し入れって何?差し入れのルールについて詳しく解説

警察署への差し入れって何?差し入れのルールについて詳しく解説

身内の人が捕まり警察署で必要なものを渡したい場合どうすればいいのでしょうか? 

逮捕され勾留されている方への差し入れには多くのルールがあります。事前にルールを知っておくと安心ですね。

この記事では、差し入れのルールについて詳しく解説します。

差し入れとは? なぜ差し入れが必要になるの?

勾留されている被疑者・被告人に対して物や書面を渡すことを「差し入れ」と呼びます。

被疑者とは、犯罪をした疑いをかけられ、捜査を受けている人のことを指し、被告人とは、捜査の結果、検察官の判断によって、起訴された人のことをいいます。 

犯罪をした疑いをかけられた人で、罪証隠滅・逃亡のおそれがあると判断された場合には、逮捕されることがありますが、逮捕されると、72時間以内に、勾留されるかどうかの判断がなされます。勾留されるかどうかが決まるまでは、最大72時間、留置所で拘束されることになります。 

勾留とは、検察官が、勾留請求を行い、裁判官が審理し、勾留を認めた場合に、警察署の留置所や拘置所などの刑事施設で拘束されることをいいます。勾留は、最大で20日間認められており、その間は、刑事施設で拘束されることになります。 

弁護士
川口晴久

つまり、逮捕・勾留されてしまうと、被疑者は、自由に行動することができなくなってしまいます。

そうしたなかで、被疑者・被告人が不便になることがないように、警察署の被疑者・被告人に必要な生活品等を届けることを、【差し入れ】といいます。 

差し入れに関するルール

誰でも差し入れできるの? 

結論として、差し入れは、誰でもすることができます。極端にいってしまえば、ご家族やご友人などではなく、勾留された人と面識のない方でも、差し入れをすることはできます。

しかし、逮捕直後、つまり、逮捕から72時間の間の差し入れは、原則として、ご家族であっても差し入れをすることはできません。

その場合でも、弁護士であれば、差し入れをすることができる場合があります。 

どんな物でも差し入れできるの? 

差し入れの際には、自傷・他害の危険があることから、紐類(衣服や本についているものも含めて)や、とがったもの(ボールペン)等、生もの等の差し入れは禁じられています。

また、差し入れ先が留置所か拘置所かでも、差し入れをすることができるものについて、違いが生じてきます。ここでは、留置所の場合に差し入れすることができるものについて、記載していきます。 

通常、以下のようなものを差し入れることができます。 

・洗面用具(石けん箱、タオル、歯ブラシ) 

・衣類(パンツ、肌着シャツ、靴下、スウェット・ジャージ(上・下)、Tシャツ、ズボン、半ズボン) 

・日用品(封筒、便箋、ノート、はがき、切手) 

・その他(本、紙袋、バック、現金、電気シェーバー(振動式かつ充電式のもの)、写真) 

一方で、以下のようなものは、差し入れをすることができません。 

・洗面用具(バスタオル、垢すり、シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔フォーム、歯磨き粉) 

・衣類(ポケットの多い衣類、ひも付き・フード付きのもの、ボタン付き・金具付きのもの、五本指靴下・足袋靴下、ももひき・タイツ等長い下着、選択されていないもの) 

・日用品(クロスワード・ナンプレ等、筆記用具・化粧品、とじる箇所にピン、ホッチキス、針金等がついているもの) 

・その他(タバコ・飲食物・薬、コンタクトレンズ(ケア用品を含む)、書き込み等がされているもの、その他施設管理上差し入れできないもの) 

意外なものが差し入れできないと思った方もいるのではないでしょうか。 

差し入れの量に制限はあるの?

差し入れすることができるものでも、数量に制限があります。

例えば、石けん箱は1個、タオルは2枚、歯ブラシは2本などといった制限があります。 

以下、おおよその目安を記載します。 

・石けん箱 1個 

・タオル 2枚 

・歯ブラシ(新品)2本 

・パンツ 3枚 

・肌着シャツ 3枚 

・靴下 3本 

・スウェット・ジャージ(上・下)2組 

・Tシャツ 3枚 

・ズボン 2本 

・半ズボン 2本 

・封筒 10枚 

・便箋 1冊 

・ノート 1冊 

・はがき 10枚 

・切手 10枚 

・本 3冊 

・紙袋 1袋 

・バック 1個 

・現金 3万円以下 

・電気シェーバー(振動式かつ充電式のもの) 1個 

・写真 10枚 

意外と多く差し入れすることができると思うものもあれば、これだけしか差し入れすることができないのかと思うものもあるのではないでしょうか。 

上記の一覧はあくまで一例ですので、差し入れできるかどうかについては、一度、勾留されている警察署の留置管理課(留置係)に尋ねてみると安心でしょう。

差し入れはいつでもできるの? 

まず、先ほど述べたように、逮捕直後、つまり逮捕されてから72時間以内については、原則として、留置所への差し入れを受け付けていません。 

それでは、勾留された場合には、いつでも差し入れをすることができるのでしょうか。差し入れは、平日、休日を問わずに、いつでもできるわけではありません。 

例えば、千葉だと、平日の9時から16時まで受け付けているところが多いようです。

弁護士
赤井耕多

各警察署によって対応時間が異なる場合もあるので、一度、確認してみるといいでしょう。

原則として、休日、平日の夜間には、受け付けていません。

警察署の留置所と拘置所で差し入れルールは違う?

留置所と拘置所は、ともに、被疑者の身柄を拘束するための施設ですが、先ほども述べたように、留置所の管轄は警察署である一方、拘置所の場合の管轄は、法務省になります。 

そのため、差し入れについても、ルールが異なります。 

弁護士
川口晴久

差し入れをする際の違いを、一言でいうと、拘置所のほうが、留置所と比べて、差し入れをする際の制約が緩いということです。 

例えば、警察署での現金の差し入れは3万円が限度ですが、拘置所の場合には、現金の差し入れ金額について原則として制限はありません。 

拘置所においても留置所と同様に、差し入れできないものもありますが、拘置所においては、文房具・日用品・食料品等、差し入れはできなくても、拘置所内で手続きをとれば購入することができるものもあるほか、東京、千葉などでは、拘置所の場合には、食料を差し入れすることができます。また、拘置所によっては、拘置所で食料を買ったのち、その食料を差し入れるということもできます。留置所でも、購入することができるものはありますが、拘置所と比べると、その種類は少ないといえます。このように、拘置所の場合には、留置所と異なり、比較的緩やかな運用がされている場合が多いです。 

一方で、拘置所の場合には、差し入れを行っても、留置所と異なり、被疑者の手元に届くまでに時間を要することが多いため、時間に余裕をもつことが必要です。 

(参考)留置所と拘置所の違い

留置所とは、警察署の管轄であり、被疑者の身柄を拘束するために用意されている場所です。留置所は、全国でおよそ1000以上の数が設置されており、各地の警察署内にあります。 

拘置所は、法務省の管轄にあり、原則として、被告人や死刑確定者、移送される刑務所の決定を待つ受刑者も収容されています。拘置所は、全国に8か所、拘置支所は、全国に111か所しかありません。そのため、拘置所は、その数の少なさや、収容する対象者の多さから、常に満員状態となっていることが多いといえます。 

そして、原則、裁判所によって、勾留の決定がなされた被疑者は、拘置所に収容されるはずですが、先ほども述べたように、拘置所の数の少なさ、定員不足という事情から、実際には、勾留の決定がなされた後も、留置所で身柄を拘束され続けるというケースが多いという実情があります。

つまり、多くの場合、被疑者として、身柄拘束されている間は、留置所にいることが多いといえます。 

それでは、起訴されて、被疑者から被告人になった場合に、必ず拘置所に収容されることになるのでしょうか。 

起訴された場合には、取り調べの必要性がある場合、余罪がある場合などには、引き続き留置所で拘束される場合もありますが、基本的には、そのような必要性がなくなった場合には、拘置所に収容されることになります。 

結論としては、被疑者の場合には、留置所に拘束され、被告人の場合には、拘置所に拘束されるということになるでしょう。 

差し入れするのにおすすめはある?

被疑者・被告人に対して、差し入れをすることになった場合に、何を差し入れたら喜ばれるでしょうか。 

勾留されている被疑者・被告人は、身体を拘束され、自由な行動ができません。また、私たちにとってかかせないスマートフォンなどの電子機器も、当然、自由に使うことはできません。

そのため、余暇をつぶすことのできるものや、日常生活を送るにあたって必要なものを差し入れると喜ばれるでしょう。

差し入れにおすすめなもの

・漫画・小説

・現金

・ノートや便箋

・資格取得のための参考書 

漫画・小説 

先ほども述べたように、留置所で一日を過ごす場合、暇な時間は、当然、多くなります。そのため、余暇をつぶすことができるものが喜ばれますが、その代表的なものとして、喜ばれるのは、漫画・小説でしょう。 

それでは、どのような漫画・小説を差し入れたら喜ばれるでしょうか。上述したように、本の差し入れは3冊までという制限があります。 

そこで、おすすめするのは、漫画であれば、古本屋などで、110円で売っているいわゆるコンビニ本と呼ばれるような分厚い漫画本を差し入れすることです。3冊という制限があるので、ボリュームのある漫画本を差し入れするのがよいでしょう。小説は、人によっては、読む気が起きないという場合もありますので、漫画本を差し入れるのが無難であるかと思われます。もちろん、小説が好きだということがわかっていたら、小説を差し入れることもよいでしょう。 

現金 

また、喜ばれるものとしては、現金が挙げられます。

留置所の場合は、差し入れすることができる金額に限度があり、また、買うことのできるものも制限はあります。

それでも、留置所内において、自身の必要なものを購入する手段として、現金を差し入れるということは、被疑者・被告人にとっては、非常に重要なことです。 

ノートや便箋 

被疑者・被告人には、家族や友人と連絡を取る手段がありません。

そのため、被疑者・被告人が、他者と意思疎通をはかるために、ノートや便箋を差し入れることも重要だといえます。 

資格取得のための参考書 

被疑者・被告人の方は、事件を起こしてしまったことを深く後悔し、そのような心情から、裁判後にしっかりと働き更生できるよう国家資格の取得を目指す方が少なくない印象です。

そのようなことから、国家資格を取得するための参考書等の差し入れを希望する方はそれなりにいらっしゃいます。 

弁護士が差し入れする場合との違いはある? 

先ほど述べたように、差し入れは、誰でもすることができます。それでは、弁護士が差し入れする場合に、何か違いはあるのでしょうか。 

まず、先ほど述べたように、差し入れは、原則平日にしか受け付けていません。

しかし、弁護士であれば、休日にも差し入れすることができる場合があります。警察署に留置されている被疑者、被告人へは24時間どの時間帯でも差し入れをすれば受け付けてもらえます。 

そのため、平日の夜間に警察署に留置されている被疑者・被告人に差し入れをしたいという場合にも、弁護士であれば、差し入れをすることができるのです。 

これまで述べたように、逮捕後、72時間以内は、原則として、差し入れをすることはできませんが、弁護士であれば、差し入れをすることができます。 

このように、弁護士であれば、差し入れについて、融通が利くため、ご家族やご友人が留置場あるいは拘置所に勾留されることになった場合には、一度、弁護士に相談してみることをお勧めします。 

最後に 

被疑者・被告人の方は、逮捕後身体拘束をされている間に普段あたりまえのように使えている物を使えなくなり、精神的につらい状況に置かれています。 

精神的につらい状況の中で連日警察や検察等の捜査機関から取調べを受ければ、その状況から脱したいという思いから、やっていないことでも「やった」と言ってしまう恐れもあります。冤罪事件が出来上がってしまうのです。 

このような冤罪事件を回避する意味でも、警察署や拘置所で留置されている被疑者・被告人には、なるべく不要なストレスがたまらないよう可能な限り本人の要望を踏まえながら多くの物を差し入れすると良いでしょう。 

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